days

妄想デート、moimoi_azkのことばで。

day4

好きなものを見ている時間が一番大切なのかもしれない。小さい四角を肩を寄せ合って、小さくまとまって観る。飲み物はこういう時炭酸がいい。盛り上がるツボが同じだったり、違ったり。感想を言い合うと、たしかにとなるほどの連続だったり。共有していく時間が好きだ。好きなもの、気になるものが近いことに最大限の喜びを感じる。なんて言えないから画面に集中していると、頬に温かい気配がした。隣を見るとしたり顔のあなたがいた。

day3

外の湿度と同じくらい目の周りの湿度が高い。クッションはシワシワになってしまって、体育座りをしたおしりが畳の凸凹の痛みに根を上げるほど座って泣いていた。ほんのちょっとの言葉尻に対して摩擦が起きてしまった。理由よりも摩擦が起きたことの方が悲しかった。よたよたと立ち上がり、傘をさして頭を冷やしているあなたのために、こないだ一緒に買った紅茶を淹れる。どうか。楽しい日々が続いて欲しい。できることならばあなたもそう思ってるといい。カップをローテーブルに置いた時にちょうど帰ってきたあなたは、コンビニのエクレアを2つ持っていた。

day2

晴れた空がピンクになった頃にその麓までしりとりをしながら歩く。大抵の場合「る」だったり「ど」だったりが最後に来る単語を言われて悩む私のターンが長い。そうやってアカデミックなからかわれ方は私は嫌いじゃない。

ここは東京の桜の隠れた名所のとある公園。木の下でチェック柄のレジャーシートを広げ、淹れてきた紅茶とたっぷり具の詰まったサンドイッチを二人で手を合わせて頂く。朝早くにキッチンに並び作ってきた甲斐があったね、とあなたは笑う。どんどんサンドイッチが消えていく中、私はこの人の食べている顔も好きなのだなと実感する。春だからか、あなたがいるからか。とても暖かい。銀のコップの中にピンクが映り込んでた。

day1

初めて降りる駅で特に方角も決めずに歩く。その町の町内会のポスターとか、ガラスに映る木漏れ日とか、ゆったり歩く恋人の靴とかを一枚一枚、ミラーレス一眼で捉える。恋人と木漏れ日を取ろうとした瞬間、何撮ってんですか、と気づかれてしまう。私はわざとらしく舌を出していたずら失敗、と言った顔をする。その顔をスマートフォンで瞬く間に切り取られて、負けを確信する。そうこうしてるうちに味のある喫茶店に辿り着く。ためておいた色んな話をする時が来た。今日は久しぶりのあなたとのお出かけだったから。さあたくさん話そう。話し疲れたら、またそぞろ歩こう。